チーム千葉ボランティアネットワークでは、さまざまな分野で活動するボランティア団体や個人を紹介し、「やってみたい」という気持ちをつなぐ取り組みをしています。今回は、一つの質問に何倍もの思いをのせて語ってくださった、チーム千葉メンバー・だいさん(29歳、社会人)にお話を伺いました。


◆はじめに、自己紹介をお願いします。―

 千葉市内で事務職として働いています。育ちは千葉ですが、小中学生のとき3年間、札幌市に住んでいました。違う地域を知った経験が、物事を多角的に見る自分の特性になっていると思います。
 手足が短い先天性の障害があり、低身長です。歩くスピードは人より少しゆっくりで、長距離移動は得意ではありません。高校、大学は千葉市内の学校に通いました。将来は母校の事業に関わったり、イベントを通してボランティア活動を広く知ってもらえる機会を提供したりするなどして、学生さんの力になれたらと思っています。


◆ボランティア活動を始めたきっかけを教えてください。―

 大学1年生のとき、ジャパンパラゴールボール競技大会に英語通訳ボランティアとして携わったのが始まりです。トルコ代表チームを担当し、選手誘導やスケジュールの伝達を任されました。競技に臨む選手に、きちんとしたタイミングで正確な情報を届けることの大切さを強く感じました。声のかけ方ひとつがモチベーションに影響するかもしれないということも気にしました。自分が話したいから話すのではなく、「相手の立場に立って」行動したり伝えたりすることを学びました。
 自身の担当チームはその大会で優勝という結果になり、表彰式の後にはヘッドコーチから声をかけられ記念写真を撮ったことも忘れられない思い出です。「自分の英語で少しでも役に立てたのかな」と自信につながりました。

人の役に立つ喜びを実感したと話すだいさん。その小さな手応えが、「ボランティアっていいな」と思うきっかけになったそうです。


◆印象に残っているボランティア活動はありますか?―

 大学時代に携わったチャリティ・フリーマーケットのイベントです。近隣住民や学内協力団体、法人様から集めた衣類や食器、雑貨など「捨てるにはもったいないもの」を販売し、その売上金をカンボジアの教育支援のために寄付する活動でした。2、3年次には副代表として運営にも携わりました。
 地域の方と顔を合わせて、リアクションを直接感じられる活動で、将来への「地域に根ざした仕事がしたい」と思うきっかけにもなりました。

参加するボランティア側から運営側へ。運営の大変さ、業務の調整力も学んだといいます。


◆障害のある方のボランティア参加についてどう思いますか?―

 ボランティア活動は「ボランタリー(Voluntary)=自発的」にやることが前提です。できることをできる人がやればいいと思います。重い物を運ぶのが難しい人がいれば、広報や企画が得意な人もいます。自分が運営側のときはボランティアのみなさんに対しては「何をやりたいか」を尊重してきました。物理的なバリアは確かにあります。でも、自分に合う環境はきっとあるはずです。大切なのは「できないこと」ではなく、「できる範囲のことやればいい」と単純に思っています。

言葉がまっすぐで力強いだいさん、やりたい気持ちや得意なことを大事にしたい、という考え方が伝わってきました。


◆ご自身が関わっているフェアトレードの活動について教えてください。―

 フェアトレードについてやってみたい、もっと知ってみたい、もっと学んでみたいという気持ちがあり「千葉市フェアトレード推進グループ」に入りました。イベントを運営する側ということもあり、そこも興味がありました。千葉市内の商業施設などでフェアトレードの普及啓発活動を行っています。千葉市がフェアトレードタウンとして認定されることを目指していますが、「認定」がゴールではありません。千葉市民の皆さんに浸透し、知ってもらうことが大事だと考えているので、これからも活動を進めていきます。


◆今後やってみたい活動があれば教えてください。―

 英語通訳ボランティアをやりたいと思っています。高校まで勉強した英語をアウトプットしてみたいと思ったのは大学時代。話す機会、活用する機会を作ろうと一歩踏み出して通訳ボランティアを始めた原点があります。もっと英語を話せるよう、更に知識をつけて活動の裾野を広げていきたいです。

大学時代の原点を大切にしながら、もう一度そこから歩みを広げようとする姿勢が印象的でした。


◆これからボランティア活動をやってみようかなと思っている人へメッセージをお願いします。―

 できる人ができることをやればいいと思います。障がいがあっても、敬遠しなくてよく、それよりも大事なのは、相手の立場に立つこと。それはどんな活動にも共通していると思います。「面白そう、やってみよう」でも大丈夫です。ただ「誰かのために」という気持ちは忘れないで欲しいです。


 インタビューを終えて、こちらの心が明るく前向きになりました。よく観て、よく考え、まっすぐに語るだいさんの姿勢は、これからを考えている人の心に、静かな勇気を届けてくれるように思います。

 ボランティア活動には、通訳、イベント運営、国際交流、フェアトレード推進など、さまざまな分野や関わり方があります。「自分にもできることはあるかな?」そう思った瞬間が、きっとスタートです。チーム千葉ボランティアネットワークは、その想いを形にするお手伝いをしています。